パーカッションとパッションと脳
2015.04.02. 00:14
先日、中学時代の同級生の旦那様率いるアマオケのベートーヴェン「田園」を聴きに行ってきました。
お友達の旦那様のご担当はパーカッション。
ティンパニやシンバルを絶妙なタイミングで操っておりました。
わたくしガイゲは、ほとんど生の演奏を聴きに行くことをしません。
私が好きな曲はオペラとかバレエ音楽とかスケールが大きい音楽が多いため、チケットが高いのです。かんべんして欲しいです。(笑)
かと言って、アマチュアオーケストラにも興味はなく、無縁の生活をしていました。
しかし、お友達の旦那様率いるアマオケ演奏、とても良かったです。
やはり生音楽の臨場感は会場に行かなければわかりませんね。
認知脳科学では、現実であろうが空想であろうが、「脳は、より臨場感があるものをリアルなものとして認識すると」いう研究結果を示しています。
すなわち、嘘でも詐欺でも、ありありと想像できるような状況に陥ると、人間の脳はすっかりその状況に騙されてしまうと言うものです。良い例は、映画を見ているときにヒヤっとしたり、オレオレ詐欺にひっかかったり...などですね。
この感覚は、心理学で良く使われるルービンの壺(壺にみえたり人の顔に見えたりする絵)で理解することができます。
脳は、高所のヒヤヒヤシーンと心地よい映画館のシートを同時に認識するこができません。必ず片一方の臨場感に支配されてしまいます。まるでルービンの壺が、「壺か人の顔か」のどちらかにしか見えないように。
生の演奏は、その臨場感をリアルに持っていますから、プロフェッショナルでもアマチュアでも、私たちの脳はその臨場感にどっぷりと引き込まれてしまうのです。
言わば、たとえアマチュアでも、「CDを超える"何か"を私たちに訴えかけることができる」ということです。
(CDになって販売される音楽に一定の技術が必要なのは、よほど素晴らしいスピーカーシステムを持っていない限り、生演奏の臨場感をCDで伝えることに限界があるからだと思います)
演奏後にその同級生から、
私は彼と出会ってから、パーカッションの面白さ、重要性を知りました。
というメールを頂きました。本当にそうですね。
会場で私たちを空間から揺さぶり脳に臨場感を感じさせるのは、パーカッションの空間振動です。
弦楽器は摩擦音ですから、空間を揺るがす力はパーカッションほどありません。
素粒子もビッグバンも、全ての事象は振動から始まり、それを観測した私たちがその現象を認知します。振動は、本当にすごい!
先日、理論物理学者の講演に行きましたが、ステージに立つ人の情熱もまた、振動となってセミナー会場に伝わっていました。
ぜひ皆様も、生演奏の機会があったら行ってみてくださいね。
ガイゲの5分先生のお教室では、5/3に発表会があります。芸大付属高校の生徒さんの演奏は、お金を払ってでも聴きたいというレベルです。
(去年の発表会で、会場に聞きに来たどなたかが演奏後に電話でお話されているのを聞いてしまいました。)
もしお時間に余裕がある方は、是非生演奏を楽しんで下さいね。